石田衣良さんの
「清く貧しく美しく」
(新潮社)
を読みました。
これまた、飲んでいる時に
お知り合いから薦められたのですが、
石田衣良さんの本は、随分前に読んだ
「波のうえの魔術師」がすごく面白かったので
ぜひ読んでみよう!とその場でポチッと購入しました。
やはり、面白かった。
7ページ
セロリの糠漬けで炊き立てのご飯を頬ばり、冷たいジャスミン茶をのんだ。
日菜子がいつもいうとおり手間さえきちんとかけるなら、おいしくて身体にいいものはいくらでも安くたべられるのだ。
丁寧に生きるのって素敵だな。
自分の雑な生活・・・改めないと・・・と反省させられました。
52ページ
土田のような人間は、自分に近づいてくるすべての人間に牙をむく。
それが生来の性格なのか、あるいは短くはない人生の経験で生まれた傷によるものかはわからなかった。
牙をむく人に対して、「傷ついている」という視点がなかった。
攻撃的対応を受けたときは、この視点を思い出せるとお互いの負担が減るかも!
59ページ
人を憎み、批判するときはあれほどの熱量を浪費する癖に、ともに暮らし愛する人をほめるときには、ひと言の表現さえ節約するのが、今という時代なのだ。
同業者のブログに何百と寄せられた批判コメントに
げんなりしていたところでした。
行動の批判ではなく、言葉を選ばない人格否定。
いや、あえて、そぐわない言葉を選んでいるのか?
他人の言動に対するツッコミに、どうしてそんなに時間と労力をかけられるのだろうか?
と疑問に思っていたのですが
「熱量」という言葉になんだか腑に落ちた気がしました。
自分に説明ができると、ほっとします。
197ページ
格安のランチメニューは、営業マンが配る名刺みたいなものなのだ。
昼のあいだにしっかりと名刺をばらまいておかないと、夜の営業がつらくなる。
お金を稼ぐというのは、たいへんだった。
なるほど!
「迷いある」「一時的な売上増にしかならないやり方での」格安ではなく
「名刺」と表現する格安は
分かりやすくて目的意識があってすごくいい!
221ページ
悪いのはこの人だけではない。
二十年間も昇給もたいした仕事も与えずに、お手軽で安価な労働力として人間を使い潰してきた世のなかにも、多くの責任があるはずだ。
自己責任、と一言で切り捨てることが正当化できるだけの
情報開示や環境調整をしておかねばならんのだろうなぁ。
とウムムと考えさせられました。
経営者として、社員さん一人一人をさらに大切にしていこう!
と気持ちが引き締まります。
248ページ
もう一生変わらない。
このまま鍋底を這って、冴えない人生を終えるのだと思っていたのに、あるとき変化がやってくる。
その変化は自分以外の誰かがもってきてくれるものなのだ。
人は自分ひとりでは変われない。
「人は自分ひとりでは変われない」という視点がなかった。
なるほど。
人との出会い、人による影響ということかな・・・。
それならば、納得。
違うとしても、いつか腑に落ちる時がくるのだろうと思う。
本って、自分にない感覚、視点を気づかせてくれるのだなぁと
改めて思いました。
面白かった!